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各方面で皆さんが検証されている事項ですが、たまたま素材が揃ったので比べてみました。
まずはじめに。
巷のウワサによればデジカメは14EVものDRがあるそうな。
これが±7EVなのかどうかは解からないのだが、よく「デジカメはオーバーに弱いが
アンダーには強い」的な話を聞く。
なのでざっくりと+に6EV -に8EVと考えれば、1秒の露出で考えれば、
1×2×2×2×2×2×2×2×2=256ということで、本来256秒で適正露出であれば
1秒の露出でギリギリ写っているということになる。
この段階で我々が普通に撮る天体をほぼ網羅してしまう勢いだが、実際は1秒どころではなく、短時間とはいえ2秒とか3秒とかかけるので、実質数秒でほぼすべての天体が
「薄く」写っているという事ではないのだろうか?
短時間×多枚数スタックというのは薄いザラザラの画像を鑑賞に堪える画質まで
コンポジットするということであり、長時間×小枚数スタックというのは割とよく撮れた
画像(それでもアンダー気味な天体写真なのでちょっと荒れている)を数枚コンポジット
して完成させるということに尽きるのではないのか?
そして、その折り合いの目安として総露光時間が同じならだいたい同じ仕上がり、
という事ではないのか?
決して、個々の露光が蓄積されるのではなく、ともに限界に近い部分まで写っていて、
鑑賞に堪えうる画像に仕上げるのに「何枚必要か?」という事ではないのか?
で、どちらがいいのかと問われれば、さらに光害等の要素が加わってくるため、
単にカブリとか限界等級とかサチり具合との兼ね合いという事ではないのか?
などと正月休みの間、考えてました。
で、前に撮ったM42の画像で検証。
デジイチではなくASI1600-Coolです。
実は撮影時にクーラーのスイッチを入れ忘れてしまった為、後処理でダーク減算
しています。
ちなみにASI1600はDRが11EV程度らしいので先の計算よりは狭くなってます。
まずはゲイン139で5秒×60枚。
次は15秒×20枚。
さらに続いて60秒×5枚。
スタック後、すぐにSIのデジタル現像兼レベル調整のみで仕上げている。
同じようにそろえたつもりだったけど、細かいところが揃わないですね。
まず、5秒×60枚はかなり写っている。
ちょっとしたビギナーの作品よりもはるかに写っている(笑)
が、よく見ると結構ザラザラ。特に暗い部分。
他と露出時間をそろえるためにこの枚数になったが、画質向上はまだ望める。
15秒×20枚は結構いい感じ。
これで枚数稼げば作品レベルまで行けるのではないか。
60秒×5枚はさすがによく写っている。
が、枚数の少なさで画質は悪い。
結果。
すべてにおいて枚数が少ないので画質がいまいちなのは置いといて。
たしかに総露光時間が同じだと同じくらいの濃度に仕上がる。
けれどもヒストグラムの幅は差があって、後処理への耐性はかなり違う気がする。
よく「写っていないものはいくら重ねても出ない」と言うが、我々がターゲットにするような
ものは大概数秒の露光で(薄くだが)写っているので枚数次第でコントラストが上がり、
強調処理によって映像化できる可能性がある。
と思う。
以上は私的な感想なので、「いや、違う!」という方はぜひ教えていただきたいです。
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