CMOSカメラのクールピクセルやらダークノイズに起因すると
思われる微妙なノイズ。
多枚数をスタックすると、いわゆる「縮緬状ノイズ」が出てしまう。
大半はダーク補正で改善されるようだが、一部カメラでは
補正しきれずノイズが残ってしまう。
一時話題になったのはZWO社のASI1600系。
自分はASI1600MC CooLを持ったいたけど、このノイズが
どうにも解消できずに手放してしまった。
その後、メーカーでは改良があったようでCOOL→Proとして
再発売。
せっかくなので(笑)モノクロの1600MMProを購入。
使ってビックリ、今まではなんだったの?というくらいノイズが
少なくてバックが綺麗~。
条件によっては弱い縮緬ノイズが出るけどダーク補正でほぼ
完全に解消。
めでたしめでたし、と思っていたところ、とあるSNSで特殊な
方法でノイズを解消する方法を教えていただいた。

英語で書かれていますが、日本の方です。
右上をクリックするとグーグル先生が翻訳してくれます。
かいつまんで説明すると、、、。
原因となるクールピクセルはダーク補正では消しきれない。
(詳しくはあぷらなーと氏のブログを参照されています。)
そのため、特殊なフラットフレームを作ってクールピクセルを
あぶり出して補正に使うという方法。
特殊なフラットとは、、
ELパネル等ではなく超低照度(撮影時と同じくらいの照度)
で、撮影時と同じ露光時間で撮影する。
御本人は太陽撮影用の濃いNDフィルターを使われている
そうです。
そのフラットフレームを数百枚撮影してスタック。
これをSharpCapのFlatに指定して、LiveStackingにて
L画像を積み重ねていくというもの。
今まで聞いたことが無い手法で、ちょっと?????
だったのですが、御本人はこの方法で素晴らしく美しい
映像を撮影されています。
で、ちょっとだけ試してみました。
素材は先日撮影したコレ。

実はこの実験のためにわざわざ短時間多枚数撮影
していたのです。
尚、諸事情により(SharpCapの扱いに習熟していないとか
完璧なFlatが撮れていないとか、いまいち加減が解からない
とかで)完全トレースな再現ではなく、自分なりな後処理です。
まずは普通にL画像のみDSSでスタック
10秒×320枚の一部強拡大。
盛大に縮緬ノイズが、、、のハズが
まあまあ出ているのですが、さすが改良型の「Pro」
たいしたことないかな?(笑)
ちょっとイヤな予感がしつつもダーク補正してみると

う~~~~ん、ほぼ補正完了。
画像処理としては大成功だけど実験的には、、、、、。
ダーク補正で取り切れないノイズを消す、という試みなので
ノイズが残らないとどうにも。
とりあえず気を取り直してダーク無しで低照度フラットのみ
入れてみる。
Flatは200枚。
とりあえずND400とND100000の二枚重ねで。
同じくDSSにて。

おおっ! パーフェクトではないもののかなりいいんじゃない?
今までFlatだけでノイズが低減できるってありました?
うまくいけばかなり使えそうな予感。
完全に再現できていない理由の推測。
※ Flatフレームの枚数が少ない(300枚くらいあったほうが
いいらしいです。)
※ FlatのスタックがSharpCapではなくDSSで行った。
(ぼかし処理が入ると精度が落ちるそうです。DSSが
どうなのかは不明。)
※LiveStackとDSSによる後処理の差。
なにはともあれ、
「ダーク補正では消せないノイズをフラット補正で消す」
というのは朗報で、後処理でもたしかに効果があるようですが
自分のカメラ(1600MMPro)ではそもそも致命的な
「縮緬ノイズが出ない」
という実験的にはどうしようもない結果になってしまいました。
※他にもASI290とか、ノイズが出そうなカメラがあるので
引き続き実験する予定です。
電視とかDSOの撮影とかいろいろと使えそうです。
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